歯周病の治療ではその進行の阻止を治療の目的とします。
この目的を達成するために、診査診断・基本治療(原因除去治療)・再評価検査・修正治療(歯周外科・矯正・インプラント・補綴など)・メインテナンス治療の順に治療が行われます。
この 5 つの流れのうち修正治療以外の 4 つは歯周病治療に必須ですが、症例により修正治療は必要のないこともあります。例えば、
上に述べたように歯周病治療の目的は病気の進行の阻止ですが、そのための具体的なゴールは以下のようなものです。
歯周基本治療(原因除去治療)は、歯の周囲の細菌性沈着物(プラーク・歯石など)を取り除き歯肉の炎症を消退させることを目的としています。
このために以下のことを行います。
歯肉炎(歯周病の初期段階)はプラーク(歯垢)の蓄積によってはじまり、プラークを除去すると健康な状態に戻ります。このため徹底的なプラークコントロールにより、歯周病の進行を予防することができます。
歯ブラシ以外に、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使用すると効果的です。
【治療前】 | 【治療後】 |
---|---|
歯石とは、プラークに唾液中のカルシウムが沈着して固まったものです。
歯石自体が歯周病の原因ではありませんが、歯石は歯ブラシでは除去できないため、周囲のプラークの除去を困難にします。
歯石除去にはスケーラーと呼ばれる器具を用います。
スケーラーには超音波振動を利用した超音波スケーラー、手用スケーラーなどがあります。
超音波スケーラー |
手用スケーラー |
歯石と同様に、歯のかぶせ物・つめ物の不適合もプラークの除去を困難にします。
また歯と歯の間にすき間があると、食物がつまりやすくなります。
基本治療ではこうしたプラーク停滞因子を除去し、プラークコントロールしやすい環境を作ります。
基本治療終了後、その効果を再評価検査により判定します。
再評価検査に含まれる項目は以下のとおりです。
再評価検査の結果を元にその後の治療計画の修正をおこないます。
再評価検査においてプラークコントロール(口腔衛生状態)が改善しているにもかかわらず、歯肉の炎症(ポケット測定時の出血)が持続していて、深い歯周ポケットが存在することがあります。こうした場合には、ポケット内の歯根面に歯石の取り残しがあることがあります。
歯周外科とは歯肉を切開し、歯根面の歯石を確実に目で見て確認し、これを除去するための手術です
歯周外科の目的にはこれを含め以下の3つが挙げられます。
歯周病治療後のメインテナンスとは、定期検診のことです。メインテナンスの目的は、歯周病治療の結果得られた健康な歯周組織の状態を継続して維持することにあります。患者さん自身による適切なプラークコントロール(口腔衛生)が良好な長期安定には欠かせません。
実際のメインテナンス時には以下のようなことを行います。
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
9:00〜12:30 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
14:30〜20:00 | ○ | △ | ○ | 休 | ○ | 休 |